「ママ友図鑑」は、巷でうわさの「○○ママ」というキーワードをもとに、私のたくましすぎる妄想と、インターネットから知り得た浅はかな知識から、世相みたいなものを十把一絡げに切り取ってイメージした「実在しないママ友」たちを観賞するためのプロファイリング集です。
前回から3回にわたり、今年を振り返る系「はてブホッテントリー」(要するにはてなブックマークでバズった)記事を紹介がてら、特別編をお送りしております。
いきいきママ
いきいきママとは?
今年の10月、株式会社はてなが運営するサービスの一つ「名前を隠して楽しく日記」をキャッチフレーズとする「アノニーマスダイアリー」(通称「増田」)で極地的に話題となった、「フェミ叩き」アイコン期待の新星。
"「いきいきママ」が話題だ"・・・どこで!?増田で初めて聞いたぞ!!!
全く存じ上げなかったので言葉の定義はこの増田と、後述の「別の銭ゲバライターじゃない増田」の言説から拝借いたします。
いわゆる遠慮することなく自分自身のペースで産休を取ったり育休を取ったり子供の体調で突発的に有給を取りつつ仕事をするママの事だ、一見するとそんな人が増えるといいなと思える話だが一筋縄ではいかない事が多い。
おそらくかつてもてはやされた「ゆるキャリママ」の亜種であり、違いがあるとすれば「遠慮することなく」産休や育休をとったりする「女性優遇」された環境で働くママである点。要するに既得権を賢く利用して「甘い汁をすい」、優遇された立場にぶら下がって「楽な仕事しかしない」女とのこと。
ゆるキャリママについてはこちらで書きました
加えて、「祖母や実母が近くに居住していて家事も育児も手伝ってもらえる状態(=ワンオペではない)」という条件も。(反論への理論武装のためになんかやたらと設定が細いね、でも実際に身近にいるんだろうね)
詳しくはこちらの「銭ゲバライターじゃない増田」をご参照ください
一連の増田の中で一番拾い読むべきはこれかな。増田って不遜すぎて口には出せない「不公平感」を表面化するのにいい仕事する時があるね。
ゆるキャリママの記事でも言及しましたが、2010年初頭までは「働く女性」の流行全盛期でしたので、ゆるキャリVS バリキャリという女性人気アイドル(?)マッチが組まれた感じ(女子プロ全盛期と同じ)で、ブームがすぎ去り、過渡期となった現在では、昨今話題の「ブラック企業に潰されるリーマン」とマッチ組まされて話題性で煽るような状態(異種格闘技戦と同じ)にあるんですかね。わかりますか、この感じ。
いきいきママってズバリこんな人
こんな見た目
見た目はいきいきしているというよりちょいやつれ気味。それでも髪の先をいつもちゃんと綺麗に巻いているので、周りからの反感をかいやすい。実際、髪を巻けるのは同居の実母が全部いろいろやってくれているから。
ちなみに「イキイキ」とは裏で犠牲になってる人がいることの皮肉を揶揄している表現であり、エロい意味はない。
ついに仮想敵が祖母、町内会、PTAにまで広がりてんやわんやの大騒ぎに
バックグラウンド
小さい頃から頑張り屋さんで、いつも成績は上の下くらい、名門の女子校・女子大卒。
新卒で就活したとき「女性が輝く会社で働きたい」と言う思いで何十社も受けてようやく掴み取ったホワイト企業、3年ぐらい働いてから子どもを産んで育休を取ろうと考えていたのに、即結婚してすぐに子どもできて入社後1年で産休に。
復職後、時短勤務が明けたら二人目をと考えていたのにすぐまた子どもができたので2度目の産休。再復職後は二人の育児・家事と仕事の両立が思いのほかうまく回らずに夫ともめることが増えた。
そして時短勤務の終了する前に、離婚して実家に出戻り。
2度の育休を取ってすでに出世コースを外れた彼女は、シングルになって経済的にも困窮するのを見越して会社には見切りをつけ退社、実母に家事と育児を手伝ってもらいながらフリーランサーになった。ちなみにフルタイムで働きながらフリーに転身したので二人の子どもは保育園を退園しなくてすんだ。
toyokeizai.net 育児社員既得権議論の発端はここにある気がするね。今年じゃないけど。
彼女は常にどんな時でも時間に追われているのに、家に帰ってくるなりオフモードに切り替わってスマホゲームばかりしている夫が許せなかったみたい。夫がやっている家事は「手伝い」であって、お互いイーブンに義務感を背負っている正当な意味での「分担」とは違うのだとよく憤っていた。お互いへの「期待」のすれ違いが重なったのと、家事と仕事の両立に嫌気がさしてもう限界だったのだと思う。それからの離婚。
今年の5月。これがYahooに転載されてめちゃくちゃはてなでバズってた。「家事を女の仕事だと思いすぎる」論から一転「夫が家事だと思ってるのはほんの一部だ」論が今年は流行。ブコメはこちらから
育児でもありましたね。こちらはつい先月。
8月には 牛乳石鹸のwebCMが大炎上。夫の苦悩に多くの妻たちが苦悶。
ママ友自慢
彼女の好きなところ
なんかちょっと存在感がエロい。飲みに行くとケラケラ笑いながら明るい毒を吐きまくるのでなかなか楽しい(怖い?)酒が飲める。
彼女の嫌いなところ
PTA活動に勤しんでいる自分を「私は育児を頑張ってる」と自負した口調で語ってくるところ。「私はやっぱり子どもともっと意識的に関わりたいと思ってるからPTA活動も学校に関わる意味で無理してガンバってるんだよね」的な主張? PTAとそれイコールにされるとちょっとね。。。
anond.hatelabo.jp これも今年の頭でした。さて何か変わったのか日P。
雑感
はてぶで話題になってても世間では「いきいきママ」とか全く普及してないので、このママ友も自分がズルイと思われているとはつゆ知らず、「家事を女の仕事とみなす夫」や「シンママのことを考えずにPTAを押し付ける専業主婦」のことを「ズルイ」と言っているのでなんだかなあと思ってしまう。
実際、彼女の元職場の人が「甘い汁吸って」「小賢しい」とか思ってたどうかはわからないし、ママ友としては単純に「したたかで強い人だな」ってくらいのいい印象でしかない。(つーか今回のこの人けっこう好きなタイプだ私)
インターネットは情報の共有が一挙にできすぎるからみんなメタ視点で語りたがって個々人の幸福論さえも空中分解しがちだけど(誰の不幸の上にも本当の幸せは成り立たない、誰からも批判されないために何者にもなりたくない、みたいなの)リアルはもっとシンプルで「飯食ってうまいからそれで幸せ」「エロい話しして楽しかったし今日はこれでおしまい」って感じだと彼女見てて思う。
7月の増田なのに11月にバズっていた
バズってはいないけど参考に拝読した記事のタイトルが最高にモヤモヤする〜w
既得権謳歌のママ社員と未婚社畜女子の嘆きと負け戦:日経ウーマンオンライン【河崎環の それでも女は生きてゆく】
- [ワーキングマザー]
タイトルの煽り方とは対照的に、内容は「働く女性」に対するキレッキレのエール。
2017/12/08 12:27
おわります
念のため補足ですが、このシリーズはもともと、私の架空のママ友を紹介して読者様が「こんなママ友が実際にいたらどうだろう?」という想定をして楽しんでいただくためだけの記事です。特にオピニオンとか批判とか深い意味は全然ないからね本当に。掲載したtogetterも架空なので実在しませんのであしからず。(togetterパロはアラサー不美人さんのNAVERまとめパロ をリスペクトしています)
次回は「しなやか美人ママ」です。
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