ママゼロできるかな

ママ感ゼロを目指すママブログ。ママ友付き合いやSNSでの馴れ合い活動に疲れた時に趣味で書いているネタブログです。

鬼教師の暴力事件とその顛末が意外すぎた話

中学の頃、私のいたクラスは重度の中2病で溢れていて、いつも先生を困らせていました。

 こんな感じでした

 

今日はその頃の思い出のひとつ、担任の先生の校内暴力事件のことを書きたいと思います。

 

発端は「中学生は髪に加工してはいけない」こと

ある日、クラスのお笑い帝王ことハマジマくんが頭髪をムースでバリバリに固めて登校してきました。その日は彼が髪型を変えてから初のお披露目デーで、デビューに備えてありえないほどキメて来たのでした。

 

ハマジが教室に入って来ると、さっそく皆がその髪型について「お前、何だよその頭は~!!」などイジリたおし、彼も満足げに注目を浴びていました。

 

所が、朝の会をするため教室に入ってきた担任のT先生は、その姿を見るなり唐突にモーレツな勢いで怒り出したのです!

 

「なんだあその髪はあぁぁっっ!!!」

 

怒鳴り散らしながらつかつかとハマジに迫り髪を鷲掴みにする担任T!

尋常ならざる担任Tの鬼の形相に、言葉を失うクラスメイト一同!

 

当時超の付くほどの熱血教師であった彼は「髪の加工は一切禁ずる。」という校則の記述を、生徒たちに忠実に守らせようとしていたのでした。(加工しないでどう生きてけと…?)

 

そのまま担任Tはハマジの腕をつかんで水道場まで無理矢理連れて行き、頭を鷲掴みにして流し台に押し付けました。

 

「今すぐ洗いなさい!」

 

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私は恐怖と緊張で体も口も動きませんでしたが、クラスメイトの一部は勇敢にもすぐに止めに入りました。

 

「先生そこまでやる必要があるのかよ!」

「何でそんな事するの?おかしいわよ!」

 

このへんは金八先生のクラスでよくある〝図ったように一人一人がセリフを被らないでヤジを飛ばす場面〟を想像してもらえば良いかと思われます。生徒に言われた先生はハッと手を止めました。

 

「静かにしろぉ!みんな席に付きなさいっ!」

 

担任Tは咄嗟にハマジマくんから離れてそう怒鳴り散らすと「朝の会を始めるぞ」と言って仕切り直しました。ヤジを飛ばしていた面々は憮然としながらも、そこまではまだ、理性を保っていたので先生の指示にしたがいました。

 

ここからが青春劇の始まりです。  

日直の高村くん(タカビー)がしぶしぶ朝の会を始めましたが、まるでお通夜みたいな空気の中、誰もが口を開かずにジッと黙り込んでいました。

 

そして朝の会の恒例である「今日の心がまえ」(担任が決めたその日の目標みたいなもの)の紙を学級長が読み上げる段になると、事件は起こりました。

 

「今日の心がまえは…ありません。

こんな心がまえ…やってらんねえよ!!

 

と吐き捨てると、学級長アキラは先生から受け取ったその紙をクシャクシャに丸めて床に叩きつけました!

 

一瞬にして皆の闘志に火が点きました。

 

そうだそうだ!

こんな暴力教師の言うことなんか心に構えてられるかよ!

 

騒然とする教室!

押し黙る、担任T!

この時のアキラくんのカッコイイ指数(当社比)は実に90くらいはあったのではないでしょうか。

 

再び捲き起こる3年B組的ヤジ合戦のさなか、日直のタカビーはアキラの影でひっそりとその紙を踏みにじる地味な犯行に打って出ました。

(この時のカッコイイ指数は実に5くらいだったかと思われます。)

 

そして当の本人ハマジマくんは無言で立ち去る先生の背中に

「自分がハゲ始めてるからって嫉んでんじゃねーよ!」

とかなり筋違いのヤジをとばしていました。

(この時のカッコイイ指数は0.5くらいだったかと思われます。)

ここから先は大脱走マーチをBGMにお楽しみください 


「大脱走マーチ The Great Escape March」

 

 

本人そっちのけで怒りに燃えた厨二病たちは次なるレジスタンスを画策し始めました。と言うより、この際なんでもいいから自分もこの件に絡みたい、この扇情的な事件の当事者になりたい、盗んだバイクで走り出したい、それが中2というものなのです。

 

「どうやって先生に思い知らせてやるか…?とりあえず2時間目の先生の授業、脱走しりや!」

 

脱走しりや!そうしりや!!

(しりや、は方言で「しようぜ」くらいの意味です)

 

たちまち授業ボイコット計画が勃発。1時間目の家庭科の時間に、女子カースト最上位のスドーさん(発起人)から私にもその情報が回ってきました。と言っても皆で一緒に脱走しませんか?の相談ではありません。「私たち、脱走します!みんなも行こうや!」決定事項のお誘いなのです。私は内心よわりはてました。

 

実は、ここまで一言も発せずに何も関与せず内心ガクブルでどうしよう?私どうしよう?と思いながらもスカして傍観していた私は、この学級長アキラくんの相方、つまり副学級長だったのです。

 

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いいですか?世の中というのは、全てが全て、プラス発想の人間(陽キャ)ばかりではないのです。当然マイナスの人間(陰キャ)だっています。この時脱走に誘われさえしなかった人や、青春ごっこを蔑んでいるような人(闇属性)さえいました。全体を見ている副学級長の私はその冷え冷えとした温度差を肌で感じとっていました。

 

・・・つまりこれって、どちら側についたかで今後のクラス内での評価と立ち位置メッチャ左右するやつじゃん?! 

 

・授業をボイコット後の地獄→陰キャ派閥から軽蔑される(学級長として責務崩壊)

・授業に残った方の地獄→陽キャ派閥からバカにされる(信頼関係の崩壊)

 

どちらの地獄を選ぶべきか、みずからの保身と虚栄心のためだけに、臆病な私は必死に考えました。

 

そしてどちらの地獄も防げそうな卑怯な言い訳を瞬時に編み出したのです!

 

「私…副学級長だし、みんなの気持ちを先生に伝えるためにも、証言者として残るよ!」

 

しかし、脱走メンバーたちにそのカッコイイセリフを伝えるために、ドキドキしながら昇降口にむかうと、なんとそこには、もっとカッコイイセリフを吐いてイキってるやつがいたのです。

 

「やっぱり…逃げたってしょうがねーじゃん!

 

青春ドラマのようなを捨て台詞を吐くその人、それはなんと学級長アキラくんでした!

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「ふぁっ?!そそそそもそも君が最初にみんなを焚き点けたんじゃあないかあぁ!?」

 

あまりのことに自分のカッコイイセリフを忘れてしまった副学級長の私。この時のアキラ君のカッコイイ指数は、実に0.9くらいだったでしょうか?(当社比)

 

カッコ良さが一挙に百分の一にも大暴落したアキラ君も残ることとなり(なんでだよ)、我々はキラキラと輝くように脱走していく陽キャなみんなを送り出しました。

 

担任Tの独白(ここからBGM変えてね)


世情 ‐ 中島みゆき Cover XXkurage

教室に戻ると、室内は不穏な空気に満ちていました。席の近かったタカビーが、ホントに脱走しちゃったの?とバカにするように問うたので、私はうすらサムイ気持ちになりました。タカビーだってあん時イキって紙を踏んづけてたじゃん?なのにもうそんな達観した「上から目線」なのかよ?いよいよ始まるよ我がクラスの分断劇場が…。

 

教室に入ってきた担任Tは、閑散とした教室を見まわし、落胆した様子でこう言いました。

 

「今朝のことは、先生が本当に悪かった。先生、実は、今朝奥さんと大喧嘩をして、イライラしていました。」

 

担任Tの独白タイムが始まりました。

 

今考えるとこの先生はホンモノの熱血教師でした。過ちを犯したら誠実に事情を説明して、大人でもちゃんと誠意をもって子どもに謝る、そのやり方を身を持って教えてくれたのです。

 

先生は、昔自分が奥さんにも家庭内暴力を奮っていたこと、でもそのせいで第一子が切迫早産になりかけたこと、死ぬほど反省してそれ以降は改心して一切やらなくなったこと(お子さんは無事生まれて当時4歳でした)、それなのに、今朝は奥さんとの喧嘩への苛立ちを暴力で生徒に向けてしまったことなど、全部話してくれました。(先生は当時29歳でした)

わかっていたのにまたやってしまった、どうしようもない人間だけど本当にすまない、と涙ながらに。

 

フツウ、泣くとこね、ここ。

 

でも陰キャ残留生徒たちがそんな情熱的に語られても、悲しいかな、うがった目線で斜め上から先生を眺めているので戸惑うばかり。

「そんなことまで私たちに言われても困るな…」

「先生は別に殴ったりとかしたわけでもないしな…」

というクールな反応が、先生の熱意と一向に噛み合いません。そしてその違和感はだんだん、「つーか先生こんなに謝ってるのに陽キャのやつら…勢いに乗じて楽しみやがって…」という憎しみの気持ちに転嫁されていくのです。

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「とにかく皆でちゃんと話し合いたい。誰か、心当たりのある人、捜しに行ってくれませんか?」

 

と先生が言い、行く先を知っていた(!!)アキラ君を筆頭とする有志の面々が迎えに出ました。

本当の地獄はここからだ

そうして皆がそろい、改めて話合いを始めてみると、その非難の矛先はなんと担任Tにではなく、全く別の所へと向けられたのでした。

 

「私は、皆で学校を抜け出すなんて話、聞いてません。どうして教えてくれなかったんですか?」

「脱走する人としない人、選り好みして誘っているのは差別ではないのですか」

「そもそもクラスの大切なことを決めるのになんでまずみんなで相談しないのか?ただの内輪ウケのお遊びじゃないか」

 

と残留生徒達が脱走犯達を責め立てて騒ぎ始めたのです。

 

この際、担任Tへの審判やら責任追及は完全無視。

 

「えー?ちがいます…全員に声をかけたつもりでした…」

「って言うか、それなら自分たちから聞いてくればいいだけじゃない?何も言ってこなかったのそっちじゃん?」

「そんなに言うなら止めればよかったんじゃないのーっ?」

 

思わぬ水掛け論に発展して、動揺するハマジマくん! 

(ハマジマくんはそもそも最初から取り残されていたような?)

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場内騒然。 

議論は平行線の一途を辿り、最後には

「もう先生が全面的に悪かった。こういう事は今後一切ないようにするから。な?みんなが揉めるのはおかしいぞ?」

と先生が謝ることで強引にまとめられて、なんだか不完全燃焼なまま終わりを遂げたのでした。 

伝わりますかね?この中2病感。

このあとクラス仲が最悪になったことは言うまでもありません。でも先生との関係性は総合的によくなりました。担任Tはもとより日頃からの暴力教師ではなかったし、何よりもあの独白が効いたんだと思います。

 

この担任T先生の暴力的指導に関しては、私はとにかく「大人も取り返しのつかない失敗をやらかすことがあるし、自らを無様なほどさらけ出して懺悔して、それでも挽回して生きて行ける」ということをリアルに体感できた貴重な機会だったと認識しております。失敗を恐れる内弁慶な中2病だった私にはすこぶる響きました。そして「"鬼"が出るとまったく別の"邪"が飛び出してくることがある」という人生の摂理をも学んだ気がします。

 

卒業文集のクラス史の1ページには、この件は「暴力事件」としてではなく「脱走事件」としてその名が刻まれています。

 

おわります。

今回のエントリーはヒャッハー委員会のお題お題「渡る世間の鬼の話(チョコっとした鬼の話)」への投稿のために書きました。

 

※中二病日記の内容は実話を元にデフォルメしたフィクションです。

 

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