ままゼロブログ

人生に退屈しているときにたまに書いている趣味のブログです。

3年間虐げられてきたF子カーストをいきなりひっくり返した下克上の話

私は小学校1~3年までF子ちゃんに仲間はずしのターゲットにされていました。

集団登校でのスクールカースト

今回はその完結編として、F子ちゃんと完全に決別した日のことを書こうと思います。長文です。

これまでのあらすじ

家が近所だったため親から決められた登下校グループに入れられたクラタは毎日F子派閥からいじめられるようになる。登校班を抜けたかったが、F子のママがピアノの先生だったり、クラタ母のママ友であったりしたしがらみからうまく離脱することとできずに仲間はずしに耐え続ける日々。しかし徐々に独創的ないじめに走り始めたF子の暴走に取り巻き達もフェードアウト。ついに一番の手下U子が転校し、下僕であったクラタとも決別の日をむかえるのであった。

 

詳しくはこちらからF子シリーズ時系列まとめ

1年生時
mamazero.hatenablog.com 

F子のいじめから逃れるために近所のばあちゃん達と仲良くなる
mamazero.hatenablog.com

 しかしその平和も長くはつづかなかった
mamazero.hatenablog.com 

 母にすがったが解決はしなかった
mamazero.hatenablog.com

 2年生時
 徐々にF子のいじめが独創的に
mamazero.hatenablog.com
mamazero.hatenablog.com

3年生時
U子が転校してからは私からもなめられるように
mamazero.hatenablog.com

 そしてついに決別の時をむかえるのであった

 

手柄をまるっと横取りされた犬事件のこと

ことのあらまし

 その日も、私はピアノ教室であるF子ちゃん宅に向かいました。すると家の前でF子ちゃんが見知らぬ犬を追いかけていました。

「一緒に追いかけてっっ!!」

と言って家の脇の道を駆けて行きます。

なぜにっ!?

状況はよくわかりませんが命令されるままF子について行くと、そこには知らない犬と知らない少年がいて、捕獲するかされまいかのにらみ合いをしていました。

 

っつーか誰だよ!?F子の犬じゃないじゃん?

 

最初はF子んちの犬が逃げたのだと思っていたのですが、私にもF子にすらなんの関係もない犬と少年。

F子のママ(ピアノの先生)も困り果てた様子でそれを見守っています。F子と少年は両側から犬を挟み込む形で逃げ道を阻んでいました。すると、何を思ったのが少年が

「ちょっと、お父さん呼んでくる!犬見てて!」

と叫んで、走り去って行くではありませんか。

 

えーー?!この犬を我々にどうしろと?

 

疑問符の浮かぶ私たちを尻目に犬は少年が持ち場放棄した包囲網からスタコラと逃げ出していきます。

「とりあえず追いかけて!どっか行っちゃうよ。クラタちゃん前に回って!」

となぜか私に追跡させようとするF子。

ボスの女子に命令される図

 

実を言うと、私もあんまりピアノのレッスンには気乗りがしなかったので、「サボれるならいいかな」と安易な気持ちで加担することにしました。

たぶんあの少年は知り合いか何かで、家もすぐ近くで、すぐお父さん連れてくるからそれまで見張ってればいいのであろう、と算段したのでした。ところがー

 

追跡となすり合い

少年は一向に姿を現しませんでした。犬は休むことなくもう15分くらいは逃げ続けました。私たち二人は必死で逃亡犬の追跡をして歩き回りました。徐々に我々の間に「このまま同じ状態が続くとヤバイ」という漠然とした焦燥感が渦巻いていきました。

 

さて、どうする? 

(1)まだ明るいし、引き続き犬を見張って追跡してあげる。

(2)飽きたので、最後に見失った場所だけ覚えて、少年の方を探す。

(3)「私、ピアノのレッスンに行かなきゃいけないから帰ろう?」

 

当然(3)ですよね。そこで私はこう口火を切りました。

「あ、私ピアノのレッスンに来たんだった。先生(F子ママ)が待ってるよね」

と。するとさしものF子ちゃん、こう切り返してきたのです。

「そうだね、きっとママも心配してる。私、怒られちゃうから、ママにクラタちゃんのことも言ってくるね!」

ん?なんだって!?

呆然と立ち尽くす私に、言い返すスキも与えず駆け出すF子。

「クラタちゃんは犬見張っっててネーーーー!!!」

や、やられた〜!!

 

正解は(4)F子が巻き込んだくせに全てをクラタになすりつけて逃げる

でした〜〜!!!っておい!

責任をなすりつけて逃げるボス女子

 

捕獲大作戦

そのあとさらに15分くらい攻防戦を繰り広げた私と犬、さてどうなる?といよいよ途方にくれましたが、自分しか解決する人間がいないとなるとなんのことはない、犬も保健所に連行されでもしたらかわいそうだから、なんとか捕まえてあげよう、と急に頭が働き始めました。

 

 犬とのにらみ合いをまずやめて(犬の習性上、知らない人に追いかけられたら余計に逃げる)、近くに紐の代わりになるものがないか探しました。偶然、梱包用のPPバンドが葡萄園(田舎だね)の近くに落ちていましたのでそれを手にし、ネットで囲まれたその葡萄園に犬を追い込みました。それから、視線と声掛けで犬を指導しながら近づき、首輪をつかんでテープを巻きつけました。犬を飼っていたので言うことを聞かせるノウハウがあったんですね、自分。(最初からそれやろーね)(ジュウオウジャーも最後に出てくるジュウオウキングで最初から敵をやっつけようね)

 

[rakuten:toys-selection:10014762:detail]

敵がでかくなる前にハナっからこれで踏み潰してしまえばいいと思うんだっ♫

 

それからその見知らぬ犬を、足の向かうままに促しながら歩かせて行くと、すぐにさっきの少年とよく似た兄と父が歩いてくるのに遭遇しました。

「あ、うちの犬だ!!」

聞けば少年(弟)と犬が散歩に出たまま帰ってこないので、心配して探し回っているとのこと。

なんのことはない、犬だって必死に帰ろうと逃亡して、家のすぐ近くまで来ていたのです。

それにしても当の本人(弟の方)はどうしたんだろう?探しに行ってるのかしら?と心配になって一応そのことを告げ、無事に犬を引き渡してから、私は30分の道のりをトボトボと歩いて帰ったのでした。

お前の手柄はまるっと横取りだ!

するとF子宅の近くでバツが悪そうに待っていたF子に遭遇しました。

F子ママのところにはまだ帰っていないようでした。私を置いて逃げたのでママに怒られると思って、怖くて待っていたのでしょう。

私は駆け寄り、コーフン気味にかくかくしかじかで大変だったとF子にことの次第を報告しました。F子は「そーなんだ…よかったね…」と全く気のない素振りで聞き流している風でしたが、F子ママのところまでたどり着いた途端に、いきなりマシンガンのように語り出したではありませんか!!!!

「あのね、〇〇にある葡萄園の方まで行っちゃってね、そこまで2人で追いかけて行って本当に大変だったんだよ!紐がないから近くに落ちてたテープを拾ってきてね、それで葡萄園に追い込んでね、なんとか捕まえたんだよ!そしたらすぐにその犬の家の人が来てくれてね!ぶじに引き渡せて本当に良かったよね!」

手柄を横取りする女子カーストボス

おま、おまえじゃねーーーーー!!!

何もしてないくせに語るなよー!と釈然としない私は穴の空くほどF子を見つめ返しましたが、呆れかえるF子ママは「いいからあなたはもう家に帰りなさい、ピアノレッスンはなしよ」と私をなだめるように追いはらいました。

私が捕まえたのに…なぜかF子の手柄みたいに報告された挙句に…呆れられて私が追い払われた形で終了ですかい… 

 

後日談

しかしその翌週、珍しくF子ママが我が家を訪れ、何やら母と話し込んでいました。私は母に何も話していなかったので「ヤバイ!犬追いかけててピアノさぼったこと怒られるかも」と内心ハラハラしていました。すると、母がやってきて

「あんた、逃げた犬を捕まえてあげたんだって?これお礼だって、感謝されたみたいよ」

と言って、当時の自分からしたらとても手の届かない高級品だったハーゲンダッツのアイスの詰め合わせを差し出しました。

聞けば、あの親子がお礼にアイスを持ってF子家を訪れ、出てきた女の子が犬を連れて来てくれた子と違うので「この子じゃないなあ」ということになり、F子ママが察してわざわざ持って来てくれたようなのです。

さすがにお礼品までは横取りできなかったみたいねw

私はF子の取り繕ったウソが全てまるっとお見通しされたことがおかしくて、笑いをこらえるのに必死でした。F子ママは「ごめんなさいね」と言ってバツが悪そうに帰って行きました。

[rakuten:bamp:10115604:detail]

人生で一度は言ってみたい台詞No.1「まるっとお見通しだ!」 

ついに下克上の時が来た

この一件を経て、私は自力で犬のことを解決できたことや、人の役に立てたことがたいそう誇らしく、急激に自信を得たことでちょんこづいて*1「そうだ!今こそ反撃の時だ!」とイキナリと思い立ちました

 

スクールカーストの下剋上を決意

そしてその翌日、F子に借りパク*2されたものを全てリストアップして電話をかけ、「あんたに貸したままになってるアレとコレとソレと…全部、今から返してもらいに行くから揃えておいて」と言い放ちました。

そしてF子宅に押しかけ、借りパク品を全て押収し、「返してくれてありがとう。もう明日から一緒に学校行かなくていいから先に行ってていいよ」とキッパリ言い渡したのです!

 

それからはF子ちゃんとは普通の幼馴染になり、町内会のイベントや学校行事の時には会話したり協力しあったりはしますが、普段は距離を取り合うような関係になりました。

 もう言いなりになるようなことはなくなりましたし、F子の取り巻きにされていた子たちもまた同様に解散していきました。

まとめに変えて

どうしてそんなに簡単なことが3年間もできなかったのか、どうしてずっとF子の言いなりだったのか、今考えてみるとよくわかりませんが、子どもには子どもの理屈とか因果律とかがあって、どうしようもない上下関係の中を生きていたんだと思います。

 

でもこの犬事件をきっかけに、F子は一人では何もできない、でも自分はできるのだから行動すればいいのだ、ということが初めて体感としてわかったんだと思います。

 

F子シリーズを通してお伝えしたかったことは、くだらないように見えても子どもには子どもの序列社会があるということと、大人になっても同じように馬鹿げたカーストや序列があったりして(ボスママ問題含め)、子どもの頃と同様に内側にいる人間にとってはその秩序が絶対であり、しょーもないことでも逃げ場をなくしてもがき苦しんでいることもあるんだということです。(ある意味洗脳に近いと思う)

スクールカーストは洗脳に近い

でも一度トラブルを解決できれば、人間は学習するので同じようなことでは悩まなくなっていきます。 トラブルを乗り越えられるスキルは、トラブルを防ぐスキルより数段優れているのです。私の経験則では、こと人間関係については不安を溜め込むことそのものが全ての災いの元凶です。

 

その後私は4年生になってからもI子ちゃんとかF子先輩とか(名前同じだけど別の人です。本当に名前が一緒なんです)様々なトラブルメーカーと対峙し続けるのですが、そんなに深刻に悩まずに乗り越えていけたのは、F子時代の免疫があったおかげだと今でも思っています。

 

その後のお話はこちらから

mamazero.hatenablog.com

mamazero.hatenablog.com

 

*1:調子に乗ってという意味

*2:借りたままパクる、つまり自分のものにしてしまうこと。ジャイアンがスネ夫によくやるアレ。F子もよくやっていた。