ままゼロブログ

人生に退屈しているときにたまに書いている趣味のブログです。

取り巻き論2スネ夫効果を発揮する「有用なスネ夫」のサンプル3例を検証

前回のとりまき論から一歩踏み込みまして、「有用なスネ夫」の代表的サンプルをとりあげて検証していきたいと思います。(長文です)

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前回は「勉強になった」「なるほど」というご意見を多数いただきまして、まことにありがとうございました。しかし、ひとことだけ言わせてください。

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アレのナニが一体みなさんの人生に役立ったというのでしょうか?

 

 

実はとてもわかりにくい内容だったのではないかと危惧しております。少なくとも私は読み返してみて「ナニ言っちゃってんだコイツ」と疑念を抱かずにはおられませんでした。(スネ夫が社会に有用なわけなかろーが)

小難しくてわかりづらいうえに、生きてくうえで全く役にも立たない情報で読者の皆様を困惑させたであろうことを考えると夜も眠れませんでした。

そこで、よりわかりやすくするためにまとめサイトなどで常套法である「具体例を挙げてみる」というのをやってみたいと思います。ムダなうえにしつこくてすみませんがおひまのある方だけお付き合いください。

 「有用なスネ夫」のサンプル1「藤木茂」

ちびまる子ちゃん藤木くん

概要

藤木茂、通称「藤木くん」は「卑怯者」というアイデンティティを武器に、クラスのダークネスこと繊細チンピラ*1「永沢くん」が、そのブラックな性格ゆえに非難されることを阻止し続ける「スネ夫効果」の実行者である。一見、二人の関係は「ボス」と「取り巻き」には見えないが、藤木くん側には「永沢くんに見放されたらひとりぼっちだ」という恐怖観念が常にあり、よくある「ボスママ」「取り巻き」の関係性と酷似しているので主従関係がみとめられる。

検証1自信家でありながらコンプレックスを抱えている

藤木くんは自分がチキンでスクールカーストの最下層にいる「負け組」である意識は非常に高い。でありながら、そんな自分を決して嫌いになりきれず、全面的に「卑怯な自分」を受け入れてさらけ出してしまう自己愛の強さがうかがえる。

検証2金銭的余裕などの優位性を持ち合わせる

藤木くんはアニメ版でもマンガ版でもどちらかといえば「中流家庭の下」の方に描かれているような気もしなくもない。が、自宅を失い親戚宅に居候をする乳児連れの永沢家と対比されると、両親共働きで家持で一人っ子でいつも店屋物食べてる藤木くんはどうみたって裕福そうに見える。また、両親から溺愛されて育まれた自己肯定感の強さが彼の優位性であるとともに「ハガネの精神」の源ともなっている。

検証3口がうまくて太鼓持ち

藤木くんに限ってはこれはない。ヘタレの代表格である。アニメ版では、時々自虐ネタを言う時だけ非常に巧みな論法を見せる時がある。

検証4いやみな性格で人を見下すのが大好き

藤木くんに限ってこれだけはいっさいない。とことん人に優しく、とことん謙虚、しかし、卑怯。人の良さとは相反する卑怯さが彼の人間性の低さをよりいっそう際立たせている。

検証5忠誠心がなく自分本位な行動をとる

卑怯のために永沢くんを裏切ったりクラスメイトを裏切ったり親を裏切ったり大好きな笹山さんさえ裏切ったり、とにかく「裏切り」が彼のルーチンであることは言うまでもない。

ちびまるこちゃん永沢くんと藤木くん

考察「スネ夫効果による最大の効用」

3年4組の真のヒールキャラである永沢くんは、「火事で自宅全焼」という不幸によって誰によっても責めたてることのできないブラックホールでもある。そのモヤモヤとした鬱屈を全て帳消しにしてくれる存在が「藤木くん」である。

彼が責められるのを「いじめに見える」「かわいそう」と感じる人も多いようだが、底なし沼のように自分を愛せる彼の精神は無問題だし、その「自己愛の優位性」によって永沢くんの闇属性とクラスメイト達の罪悪感は救われていると言って過言ではない。

ちなみによく言われるところの「花輪くん」=「金持ちキャラ」は間違った捉え方であり、彼は自由を愛するスナフキン属性である。

 

「有用なスネ夫」のサンプル2「佐藤まさお」

クレヨンしんちゃんまさおくん

概要

アクション幼稚園ひまわり組の園児。主人公である「野原しんのすけ」との主従関係は認められずむしろ対等な友人として描かれているが、漫画原作中期以降の「桜田ネネ」との関係はほぼとりまき状態にあり、特に皆が嫌がる「リアルおままごと」の相手役を強要される役として、しんのすけや風間くんがこれに捕まらずに回避する状況には「スネ夫効果」が認められる。性格的にも「いじめられっ子」と見受けられる描写が多く、金持ちの女(酢乙女あい)にいいように使われるなど「長いものに巻かれる」性質も散見される。

検証1自信家でありながらコンプレックスを抱えている

まさおくんは自分の気の弱さや運動神経の鈍さにはコンプレックスを感じているようだが、「僕気が弱いから強いこというのは嫌だな」だったり「足が遅いからやりたくないな」と自分の弱さを全面に受け入れた上でその行為自体を嫌悪している場合が多い。ゆえに自信はないが自己肯定感が強力なダメ人間(俺はまだ本気出してないだけ)タイプと言える。

検証2金銭的余裕などの優位性を持ち合わせる

周囲に比べた優位性は一つも認められない。強いて言えば周囲の園児の誰をも持ち合わせていない「常識性」を唯一持ち合わせているところか。

検証3口がうまくて太鼓持ち

泣き叫んでいても、恐怖に取り乱していても、大人顔負けの冷静なツッコミをよどみなくしゃべり続ける口達者ぶりが認められる。太鼓持ちもうまいが、何よりその素直で純粋な性格から他人のいろんな良さを発見して「すごい」と感激できる天性の「ヨイショ」感性を持っている。

検証4いやみな性格で人を見下すのが大好き

人を見下すことは時々あるが顕著ではない。どこまでも優しく、気弱で、謙虚で、ダメな自分や他人をちゃんと許してあげられる度量もあり、反面で友人(しんのすけ)やボス(ネネ)にもズバズバ誤りを指摘するしっかりした面も持ち合わせている。そういうところがイヤミと言えばイヤミ。

検証5忠誠心がなく自分本位な行動をとる

ボスであるネネに対しては常に謀反を企てる反逆者でもある。忠誠心は皆無。ただ恐怖と恐喝のうえに従うだけの主従関係である。(当初はネネちゃんが可愛いから言うなりになる様な描写もあったと記憶している。今も女の子だから、というのはあるかも)

ねねちゃんとまさおくん

考察「スネ夫効果による最大の効用」

ひまわり組の裏ボス(?)であるネネの恐怖制裁を抑えているのがまさお最大の功績である。ネネに一人も女子の友だちが描かれないことから考えても、その圧倒的な智謀と強暴性に全女子達から倦厭されているのは明白である。それもこれもまさおの地道な「取り巻き」活動の成果であり、「オニギリのように尻に敷かれたくない」と思わせることで皆に警戒心を促し「リアルおままごと」の新たな餌食にされる被害を食い止めているのである。みんなもネネちゃんみたいな女にだけは気をつけよう。

ちなみによく言われるところの「風間くん」=「金持ちキャラ」は間違った捉え方であり、彼は憎まれ役が徐々に主人公と打ち解け心通わせていくといった典型的なライバルキャラ(相棒)属性である。

 

「有用なスネ夫」のサンプル3「蕭何」(←「しょうか」と読みます)

蕭何像

概要

漢の始皇帝「高祖(劉邦)」の初期からの忠臣であり、天下統一を輔けた三傑とうたわれる一人である。 出所は高祖と同胞の役人であり、劉邦が反秦挙兵の際にはともにクーデターを起こして劉邦を県令に擁立した。まだ誰も真価を認めないゴロツキだった頃の劉邦に人望を集めさせ、実力をつけさせ、勢力を拡大させた、取り巻き界を代表するパイオニア的存在である。(は?なに?いきなり誰って???)

検証1自信家でありながらコンプレックスを抱えている

蕭何は仕事もできるし人望も厚く才覚も素晴らしく、自信家というよりはハンパないエリート、実力者そのものである。しかしトップに立つ「器がない」という確信だけがある。それがコンプレックスといえばそれな。でないと劉邦なんて擁立しないだろう。(みんなーついてきてる?)

検証2以下略

蕭何は劉邦陣営の事務方を取りまとめてきた稀代の名宰相である。そして戦乱時代のバックグラウンド最大の役割は資金繰り、兵糧の確保である。それができたこの人がスネ夫じゃなくて誰がスネ夫でしょうか。蕭何。(ついてきてー)

ちなみに「いや、この人じゃないでしょ、張良出しなさいよ」という方へ

だってあいつ出木杉くんじゃないっすか?出木杉くんはスネ夫じゃないじゃないっすか?スネ夫(蕭何)がラジコンたくさんもたせた(擁立した)からこそ「すごいんじゃないか」と思って協力してきたしずかちゃんみたいな奴じゃないですか。劉邦も韓信も最初に目をつけたのは蕭何じゃないっすか。(詳しくはウィキペディアでも見てね)

それから、前漢成立の後は高祖から疎まれないように悪政引いたり人望を損なうやり方をあえて行い、憎まれ役演じた所なんかもろ「スネ夫効果」の実行者じゃないすかね?(ついてきてますか?ねえ?

考察「スネ夫効果による最大の効用」

スネ夫がのび太の取り巻きになれば天下統一をも果たせるという証明

(劉邦はジャイアンというよりのび太である)

 

すごい参考になりそうなブログがあったぞ。知らない人はこれを読むんだ!

www.saiusaruzzz.com 私も司馬遼太郎さんの項羽と劉邦が最も好き。好きすぎて読み返しすぎて夢にも見たのだ。

 

 

おわりに

わかりやすくしたはずが最後に私の中国史愛が炸裂して余計に皆様を混乱させる結果になりましたことを深くお詫び申し上げます。

また、検証の結果、「金持ち」と「人を見下す云々」は必ずしも「有用なスネ夫」に必要な条件ではないことがわかりました。そして「成金」や「イヤミ」はそれ以上の自己愛と疎まれ要素で十分に補填できることがわかりました。(ない時は蕭何のように自ら演出したっていいのです)

 

さて、どんな分野でその子の「スネ夫効果」的才能を伸ばしてあげられるか?は親の手腕にかかっています。その子だけにしかない「スネ夫」要素を伸ばしてあげることが、親としてできる最良の教育なのではないでしょうか。(そもそもスネ夫に育てたいって誰か言ってたかな?)

以上です

 

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*1:繊細チンピラとは「繊細な自分」を傷つけないように他人に要求するチンピラを指すネットスラング。 小野ほりでいが命名。はてなキーワードより