ままゼロブログ

人生に退屈しているときにたまに書いている趣味のブログです。

もしもPTA活動に参加しない権利があったなら

先週ちょっと話題になりましたツイートについて「くたばれPTA」視点から遠慮がちに切り込んでみたいと思います。

togetter.com

 

 

この考えを良い悪いどうこう言うのではなくて、すごく良い問題提起だと思ったんですね。PTA意味ないとかオワコンとか色んな批判はカンタンにできるものの、「今後の保護者会の在り方」イメージって当事者以外は誰も具体的に議論したがらないじゃないですか。

 そして既存概念の中にいる当事者は、P連や日Pの術中でしか改革の発想ができません。ところが外側にいる人は、しがらみやルールを一切無視した革新的な発想ができます。それをヒントにやっていくのが本当の構造改革だと私は思います。実際、多様な賛否両論が集まっているので、改革実行派にはとても参考になると思いますよ。

ptaと同調圧力

↑この外側にいる蛇にしか本当の構造改革は発想できないと思うんだ。

 

 

でもね、当ブログカテゴリの「くたばれPTA」のポリシーはあくまでも

PTAってとってもめんどくさいですよね。みんなやりたくないのになんのためにあるんだろう?と感じるものの、進んで改革したり、反発して脱退するのも膨大な労力かかりそうだから、なるべく省エネで済ませたいですな。

 というスタンスにあります。PTAの問題って末端の人間にはすごくイメージしにくいんですよ。

 

そこで今回もまた、もしもボックスに登場してもらい、「もしもPTA活動に参加しない権利があったなら」というパラレルワールドを覗いてみることにしました。

mamazero.hatenablog.com 前回やったやつ

 

 

もしもボックスで「もしもPTA活動に参加しない権利が買えたら」て言ったらどうなる?パラルドを覗いてみよう

PTA会費や保護者会費がフツーに高騰している

pta会費が高い

これはデジャブか・・・・?

 

献金や労働力の強要があるならそもそも加入しない」という意識が高まり、PTAは完全任意加入方式になっています。

これはもともと任意加入でなかった学校でも、制度の導入とともに「献金まで強制徴収するのに事前説明がないならば詐欺罪に当たるのでは」という保護者からの反発にあい、どのPTAも任意加入に転換せざるをえなくなったためです。

加入するかしないか、申し込み用紙が配られるようになったことで、PTA未加入世帯が増え、さらに委員などの人員不足によって各活動自体も縮小しています。でもお金で換算できるようになった活動費と相対してPTA運営費(予算)が上がっていったことで、会費も高騰しています。

また会費の他に、活動ごとに協力免除の代わりに1口3000円で活動支援ができるようになっています。これは免除金というよりは支援金と捉えられており、活動に参加できないけど支援したいという親が献金することで、代わりに協力してくれた地域の方々や保護者に薄謝ですが報酬が支払われるようになっています。

収入格差が露呈し校内軋轢が勃発

ptaお金で解決

 これまたデジャブか・・・・

 

 お金を支払って活動免除する人の中の一部で「お金でサービスを買って、他の保護者にやってもらっている」という間違った認識の人が増え、「報酬払ってるんだからちゃんとやりなさい」と文句を言ったり「私らは献金も何口もしているから発言権がある」と居直るモンスター会員が校内軋轢を生んでいます。

 

一方で、「お金で活動放棄する人は親心がない」と仕事で活動免除を申請した人がいわれなき批判を受けたり「子どもに関心がない証拠」「子どもの教育に興味を示さない育児放棄」など揶揄されることもあり、これまた新たな軋轢を生んでいます。

 

さらには金銭的余裕も時間的余裕もない貧困層の負担だけが大きくなり、「PTA格差」なる社会問題まで起こっています。

外部の人間が校内を出入りしトラブル続出

ptaイベント外注でトラブル

お金で補填すると、どうしても人員が足りなくなるので外注は避けられなくなります。地域の方や関係者ならまだ良いのですが、近隣の業者や人材派遣に頼らざるを得なくなり、校内に出入りする人間の種類が増え、避けられないトラブルがいくつも起きています。

親が真っ先に心配するのは犯罪に巻き込まれるかどうかですが、業者の信頼性にも関わるため大きな事件は年に4〜5件起こる程度で、それよりも「教育系企業が顧客囲い込みのためPTA産業に参入」とか「PTAと委託業者間で実態のない企業への架空の振り込みが発覚」とか別のえげつない問題が多発しています。

PTAの多様化が進み地域間格差が露呈

都会のptaと田舎のptaに格差

世帯数の多い学校はそれなりの規模のPTAを抱え、加入も任意になり参加と献金も段階的に選べて流動性もあり、資金も集めやすく専門的なサービスも外注できます。PTAは生協やNPOのような独立した存在になり、専任者が運営している校区や私立校もあります。

一方で地方の生徒数の少ない学校や過疎地ではPTAも旧態以前のまま。PTA全入全世帯負担が原則であり、都市部との格差に不公平感が生まれています。その影響で生徒数の少ない学校ではPTAが解体されてしまったところも増えています。

 

一方で、マンモス校が過疎の学校PTAに支援する代わりに、田舎への集団合宿や課外授業への協力を要請できる新しい姉妹校関係ができ、PTAもP連を無視した学校間連携ができるまでに組織図が変革しています。 

PTAがネグレクト・虐待などのセーフティネット

pta監視

 これは希望的観測かもしれませんが、任意制度や免除権が登場したことで、ネグレクト・虐待・貧困などの問題を抱えた家庭をPTAが察知できるようになっています。

このことでプライバシーの侵害などの問題もフューチャーされますが、それよりも一部の意識高い系のPTAがNPO法人のように問題を抱えた家庭に干渉したり、定期的に接触したりするようになり、児童相談所の一歩手前のセーフティネットとして機能するようになっています。

この「嬉しい誤算」は公共福祉からも目をつけられ、次第に活動を支援されるようになり、もはや校内保護者だけでなくOBや地域の人が誰でも活躍できるPTAとして、より地域に密着した組織になっています。

 

さいごに

 もしもボックスの登場で欠落している重大な視点があるので補足させてください。

 

心に留めておいてほしいのが、こういった新しいことを始めるにはそれに尽力する方々が必要で、必ず多大な労力がかかるということです。

 

mamazero.hatenablog.com ここでも書きました

 

多くの人は、古びた仕組みや組織について「誰かが改革してくれればいい」「トップの誰かが改革してくれなきゃダメだ」と思っていますが、その「誰か」はそれやるの死ぬほど大変ですし、よほどの強固な意志とリーダーシップ性と行動力がないとなかなかやり遂げられません。(自分が労組を立ち上げた時もそうでした)

 

PTAは本来学校ごとの会員が主体なので、実は独自の改革案や組織再編案を作ることは理論上可能なのです。が、必ずや校内のしがらみや地域のOBやP連にいる古い大人たちや日Pにいる既得損益掌握者たちからの反発のどれかにぶち当たります。実際にその反対やら批判やらを説き伏せて協力(あるいは断絶)させるのは本部役員の方々の仕事なのです。

その人たちの活動をも労力では協力できない、金で解決したいというのであれば、改革派役員たちにまず一人月8万円くらいづつ報酬払ってやってもらうぐらいの心意気が必要かもしれません。(10名くらいいますのでトータルで800万円くらい必要です。ここでまず800万円かかるということです。それプラス免除金です)

まとめ

今はまだ現状のPTAが評価されてる部分もあるので、「お金とかそういうことじゃない」「学校への協力は親心であってお金には変えられない」などの感情論もありますが、強制的に導入してみたらそれはそれで、関わりたい人はちゃんと関われるし、関わりたくても関われない人がお金で支援できるよう選べるようになるので、なかなか理にかなってる制度にはなりそうです。お金で解決できるからといって学校や子どもの教育に関心が薄れる親もそうそう多くはいないでしょう。

それでもやっぱり自衛隊問題と一緒で金出して海外派遣すりゃそれで済むって話じゃなさそうな部分もあるんですね。防衛のためには沖縄に米軍基地作って米兵駐在させないとダメって言われそうですし必要なのはお金じゃなくって「安心安全な人員」なんですと叫ぶ人がおいおい増えていきそうですよね。

 

現状のPTAでも今後の多様化(学校ごとに事情の異なるPTA改革)は必至の事態なので、今後は様々なモデルケースが出てくると思われます。2015年がPTA再編元年だとすると2016年度に改革着手したPTAも増えていると思うので、2017年以降に結果が出そろい始めるのではないでしょうか。