育児日記は書かないと決めていたのに、今回は自分の出産体験について載せます。と言うのも、当ブログを読んでくださっているブロガーさんには妊娠前や産後数年以内という方がたくさんおられるようでしたので、全国で56人の読者の方のためだけに載せます。
こちらのオコキタさんの記事を読んでいて、自分がNST(って何?という方はオコキタ日記にて詳しく読めます)されてる途中で「アンタ、今陣痛始まってるね?わかってる?」と言われて急遽出産になったマヌケな思い出がよみがえりました。(どんだけ鈍ちんなんだか)
私は2人目の妊娠まで5年ほど間があって、やはり色々悲しい出来事もあったので、妊娠した時は相当嬉しかったのですが、そのせいもあってか1番いい出産記憶にもなっています。(逆に産後最も苦しんだのもこの出産)
それを当時、保育園の文集に寄稿したのですが、むしろ私が近所の助産院で娘と夫の立会いのもとで出産したことや、陣痛中に園にお迎えに行ったことが珍しいらしく、色々な方にお声かけいただくきっかけになりました。(ママ友はゼロですがね)
今回はその時の文章を、出産を控えた方々へのエールをこめて、再編して載せたいと思います。
二人目はサカザキ
私が妊娠する以前から、娘はすでに何度も自分に妹が生まれる妄想に酔いしれていました。時には
「お腹の中にもういるんでしょう?ハートちゃん(勝手に名前までつけている)」
と空想上の妹に話しかけ、私のお腹をさすることすらありました。
それなのに、いざ本当に妊娠して
「赤ちゃんができたから呼び名を考えようね。何にしようか?」
とたずねられた娘は硬直しました。そしてしばしの沈黙のあと
「・・・サカザキちゃん」
と母の想像をはるかに超える発案をしたのです。
サカザキって誰!?アルフィー?なぜに??
後にわかったことですが、この時娘は「さかだちちゃん」と言っていたのです。しかし母は聞き違え、そしてその勘違いはそのまま園にも知れ渡り、ある朝、園長先生に笑いをこらえながら
「クラタさん…お腹の赤ちゃんの名前、さ、さか、さかざきさんって言うんだって?」
と聞かれたのでした。(恥ずかしかったです)
娘の立会いを決意した理由
一生のうち「自分に弟ができる」なんて一大イベントそうそうないなと考えた私は、ぜひとも娘にもこれに参加してもらおうともくろみました。そこで、里帰り出産はせず、近所にある助産院で産むことを決意しました。
病院でなく助産院にしたワケは、当時夫の仕事が忙しく(SEの社内規定で携帯電話が日中繋がらなかった)急に産気づいた時に子供と同伴で入院できるところが周りに助産院さんしかなかったためです。
出産後は義母と実母が交代で手伝いに来てくれることになり、万が一子供を保育園に預けたまま出産になった場合にはファミサポさんに迎えに行ってもらうことになっていました。(ここでもやはりママ友に頼らないしぶとさ)
予定日超過の診察で陣痛が発覚!!
予定日を一週間もすぎたその日、私は寝不足の目をシパシパさせながらお弁当を作っていました…そう、その日は娘の遠足の日だったのです。前夜はやけに腹が張って眠れなかったのですが、私は腹の子に「まだ出てくるな」と言い聞かせながら必死こいて弁当を詰めました。(ここでもやはりママ友に頼らないしぶとさ!)
無事に登園させ遠足バスを見送っていたところ、老先生に「ずいぶん降りてきてるわねぇ!そろそろだよ」と言われ、「そう言えばなんか腰痛い…?」などと内心思いましたが「いま陣痛きたら先生にとりあげてもらおっかな~」などと冗談言いながら笑い合って余裕こいていました。
が、しかしその時すでに陣痛は始まっていたのです。
バスを見送った後、一週間超過検診のため電車で助産院提携の病院に行ったところ、赤ちゃんの心拍(NST)などを見ながら医師に
「あのーわかってる?あなたいま陣痛始まってるみたいよ?すぐに産院行きなさい、電話入れといてあげるから」
と言われてポカーン…。
え?今のこれ?この腹の張り方?これって陣痛なの?先生、私、電車で帰ってもいいよね?
「タクシー代ケチっていいですか?」と先生に聞くと「さあ、、、普通は急いでタクシー乗るもんじゃないの?電車内で生まれても責任取れないからさ」と笑われる始末でした。
陣痛中に保育園のお迎えに
それでも(他人に頼らないしぶとさで)電車に乗って自宅までトンボ帰りして、昼ごはん食べてないので食事して入院準備を整えていると助産院から電話があり
「クラタさん!大丈夫?陣痛きてるんでしょ?どこにいるの?早く産院に来なさい」
と叱られました。(だって本当にそんな生まれそうな気配なかったんだもん)
そこで仕方なくタクシー使って産院に行ったところ
「アンタ本当に痛くないの?5分間隔でしっかりきてるハズだけど」
と院長先生にまで言われて、さすがに自分の鈍さに苦笑いするしかありませんでした。
そのまま入院となり、しばらく昼寝していましたが、やはり一向に陣痛が痛くならないので(!!!陣痛って痛いって字入ってるよね!?)夕方まで休んでから、歩いて保育園まで娘を迎えに行きました。
園にはすでに産気づいたと伝えてあったので、さすがに園長先生も私の顔を見て驚愕!
「クラタさん!?陣痛始まってるんじゃないの?」
とあたふたされていました。さらに見知らぬママさんと立ち話をして
「うわーそのお腹、もう生まれそうですね〜。いつごろなんですか?」
「もう今夜これから出てくるらしいんです。」
「・・・はっ?」
「実は今陣痛中で。。。」
「マジで!?ww」
などとくだらないやり取りをしたのち、その足で産院に戻りました。
出産前の穏やかなくだり
産院では夕食を娘と二人分いただけました。自宅のような和やかさで食事を取っていると、先生がいらして「じゃあ〜、そろそろお産始めましょうかね〜!」などとのんきなことをおっしゃいました。
まずはお灸をして体を温めてもらい、さらに陣痛を進めるために3人で部屋中をうろちょろ歩きまわりました。その頃ようやく夫が到着。娘は買ってもらったファンタを飲みながら「さみしい味がするんだよ…」と盛んに先生に報告していました。(シュワシュワすることを表現したかっただけらしい)それを聞いた先生は「下の子が生まれるからちょっぴり寂しいのかなあ」と心配されていました。(シュワシュワすることを表現しただけなので実は心配は無用らしい)
心音を聞いたり陣痛間隔を確認した後「じゃあそろそろお風呂に入ろうか」と先生が言い、かなり痛くなり始めていたのですが娘がなぜか一緒に入る気満々でしたので、服を脱がせて「もうそろそろ生まれるからね、おかあちゃんかなり痛くなってきてるんだからね」と必死で言い聞かせ、2人で湯船に浸かりました。
すると急に顔が歪むほど陣痛が強くなってきたのです!
いよいよ出産!
急いで入院部屋に戻るともうひっきりなしに痛みがきましたのでそのままベッドに直行。この緊迫した状況で娘は
「娘ちゃんも一緒に寝る〜」
などとのたまい、私の隣に横たわりました。
「そんな所で寝てたらアンタの顔を引っ掴んで握りつぶしちゃうからどいて!」と怒鳴ってからすぐにもういきんでいました。「フレーフレーおかあちゃん!」とマイペースに応援する娘。夫は頭側に立って私の腕をひっぱり上げ(これ結構助けになるんです)いきむのを手伝ってくれました。2度ほどいきむともう頭が出てきたようで、娘は大興奮で「かぁわいい!かぁわいい!」と連呼し始めました。おかげで私は冷静になれていきみ逃しができ、サガザキはするりと出てこられたのでした。(会陰も割けなかったよ)
生まれた後もずっと「かぁわいい!」と叫び続ける娘の喜び方が尋常でなく、私は立会い出産を選んで本当によかったなあとしみじみ思いました。でも、へその緒は怖くて「切るの嫌だ」と逃げ出した娘なのでした。
編集後記
当初は、生まれたての赤ちゃんって少しグロいので娘が恐怖におののくのではないか?という一抹の不安がありました。それが、頭が出てきた瞬間の「かあわいい!」という歓声で一気に吹き飛ばされました。その瞬間が今まで生きてきた中で一番嬉しかった瞬間だったかもしれません。
しかし娘はというと、この時のことはからきし覚えておらず、記憶にあるのはその後の胎盤が出るところ(すごく痛そうだった!!)だけで「弟ができるという生涯に残る体験をさせる」という私のもくろみは見事に失敗に終わりました。(!!!)
その後3人目の出産時には胎盤が出るのは痛くないこと、陣痛は痛いけど赤ちゃんが出てくるのに必要であることをせつせつと言い聞かせながら出産し、なんとか記憶を修正するに至ったわけです。娘なので出産に恐怖の記憶が残るのはかわいそうだと後から母は反省し、フォローするのに必死でした。
今となっては、初潮を迎える娘に性教育をする年頃になったので、むしろ色んな意味で手間が省けてよかったと思っています。生理のこととか妊娠についてすごく説明しやすいのですよ。
こちらの記事を読んで性教育について考えさせられました。私は昨今の「セックスを恋愛の到達点として美化する10代の感覚」には違和感を覚えます。セックスすると赤ちゃんができるし、妊娠と出産がどんなものかを子供には教えたい派です。
あと最後に追記しておきたいのが、出産直前にお風呂に入っていたことについて。これには良し悪しがありまして、私の場合は結果的に悪い方に影響しました。急激に陣痛が進んでしまったこと、血流が促進されてしまったこと、この2つの要因で産後の出血量が増えてしまったのです。
辛うじて病院への緊急搬送は免れましたが出血多量で予後は貧血となり、ひいては肥立ちも悪くなりました。産後の肥立ちが悪いと後々の体調にも響きまして、2〜3年は免疫の弱い状態が続き大変苦労しました。(インフルエンザとか胃腸炎とか罹りまくりでした)
だから陣痛中にお風呂に入る人はぬるめのお湯で、浸かり過ぎには注意しましょう。(そんな人あんましいないか?)
おわります