もし仮にボスママに意地悪されていたとして、あなたならどう対処しますか?毅然と立ち向かいますか?おとなしく従いますか?ぼんやり空を仰ぎますか?それともシカトしてスマホでツムツムに勤しみますか?
私は断然「ぼんやりと空を仰ぐこと」をオススメします。ガンジーです。非暴力、不服従。決して対抗してはいけません。正面切って勝負を挑むととんでもないことになります。大ヤケド、大怪我です。
「ちょっと鈍い?」と思われるくらいがちょうどいい。
今回のエントリーも全く生産性がありませんが(F子ちゃんシリーズは総じて生産性ゼロ)、加えてちょっと読後感が悪くなること請け合いですので弱ってる人は日を改めて読んでいただくことをオススメします。
F子ちゃんのトリッキーないじめ方を紹介します
その2真っ向勝負を挑んで大怪我をした日のこと
よく晴れた初夏の日。私はまたしても電話でジャイアンことF子ちゃんに電話で呼び出されました。
「今すぐうちに来なさい」→「はい。承知致しました」
なぜ素直に言うことを聞くのかと不思議に思われるかもしれませんが、とにかく毎朝登校時に仲間はずればかりされていて精神が完全服従状態にあったのです。何しろ若干6歳でしたし。F子が怖くて仕方がなかったのです。
F子ちゃん宅に着くといつものメンバーF子ちゃんU子ちゃんがお出迎え。
「なわとびやろう?」
と言うではありませんか。着の身着のまま出てきた自分は当然
「なわとび。。。持ってきてない」
となります。もちろんこれもF子ちゃんの想定内。
「じゃあ、貸してあげるから」
と急にU子ちゃんにコソコソ話をし始めます。なわとびを取りに走るU子ちゃん。もはや悪い予感しかしない。
「これ使ってね」
と渡されたなわとびは、いかにもなわを切りすぎて短くなってしまった代物でした。ここでガンジー大先生ならこうおっしゃられることでしょう。
「こんな短いなわとびは危なくて使えない。お返しする。」
しかしのび太ならどうするでしょうか?ジャイアンが短いバットで野球しろと言ったら?もちろんやりますよね。それでこうなる。
当時の私ものび太にほど近い人間でしたのでその短いなわでムリくり跳ぼうとしました。ただ短いだけなので、跳べないこともなくもないと思ったので。。。しかしその様子を見て面白がったF子は今度は
「なわとびかけっこで競争しよう」
と言い始めました。ここでもしガンジー大先生なら
「こんな短いなわとびでは危なくで走れない、お返しする」
のび太なら「やだよう」→「のび太のクセに生意気だ」「やるよな」→「トホホ」
です。しかしフロンティア精神に溢れる私はというと
この短いなわでむしろ勝ってやる
と思いました。何を血迷ったのか真っ向から対抗してやることにしたのです。
ヨーイドン!
短いなわとびはより高く跳び上がる必要があるので序盤は好調でした。飛距離が長くなるのでなかなかに早く走れるのです。「これはいけるかも」「F子の鼻を明かしてやる」と思い私は夢中で走りました。
そして下り坂に差し掛かったその時
ズザザザザーーーー!!
思いっきりなわに足を引っ掛けて転げ落ちました。足をひっかけて転んだので膝からズザーっと転んで擦りおろされ、片足が血だらけになりました。
「キャーーー大丈夫!?」「何やってんのよ!?」
騒ぎ立てたのはF子達の方でした。自分たちの方が事の発端なくせに、なぜかオロオロ慌てふためいています。私の方はと言うと、悔しくて仕方がなかったので一生懸命涙をこらえていました。
肝心のF子ちゃんママ(ピアノの先生)やU子ちゃんママは出てこず(呼びにも行かず)、騒ぎを聞きつけた隣接の家のおばちゃんが「あらあらまあまあ」と様子を見にやってきました。そして傷口を水で綺麗に洗って、消毒をして手当てをしてくれました。
その間、F子はずっと「転んだんだよ。なわとびで走ってて転んだんだよ。」とひたすら状況説明を繰り返してウロウロあたふたしていました。きっと自分のせいじゃないと主張するのに必死だったんだと思います。その日はそのまま自然解散となりすぐに帰宅しました。
翌日は学校で、またいつものようにF子たちと共に登校しました。
「昨日お風呂に入った?」
とわざわざ聞いてくるF子に、一応傷口のこと気にしてくれているのかな?と思った期待は瞬時に裏切られ
「えー?入ってないの?それだけのケガで入らなかったの?汚い!」
とおそらくは用意しておいたであろう罵倒で食い気味に私を貶めてきました。
「うち毎日お風呂入ってないし、入らない時も普通にあるよ」
とクールに答えました。なんだ、最初っからこうしてたらよかったな、と思いました。まともに取り合っていた自分がアホだったんだ。そして引き続き
「えー毎日お風呂入ってないなんて汚い。汚いよね?汚ーい!」
と騒ぎ立てるF子を見つめながら、それにしても昨日のF子の慌てふためいた姿は少し面白かったなと反芻していたのでした。
それからの私はF子ちゃんの意地悪をまともに取り合うのを一切止めてしまいました。F子ちゃんに対する感情の一切を止めてしまったのです。だから未だにF子ちゃんのことを思い返してみても、好きでも嫌いでもなければおおよそ憎んだり恨んだりすらしていない、不思議に透明な思い出にすぎないのですよ。
F子ちゃんも何かに虐げられていたのかなあ・・・?
まともに取り合わなくなった後のお話↓
F子シリーズしばらく続きます。