前回の「今、ママ友がアツいのはなぜか?」の続き、仮説その3です
仮説1はこちらmamazero.hatenablog.com
仮説2はこちら
仮説3 スマホの普及による「共感性」と「情報網」の変貌が、アンチ「ママ友」派を生んだ
最後に少し大げさな話になりますが、現在が「人と人とのつながり」の大変貌期にあたっているために、「ママ友」議論がアツくなってるとする説。
ご存知の通り、インターネットの普及によりここ10年で「人と人とのつながり」の在り方は急激に変化しています。特に、ここ数年で爆発的に普及したネット端末(スマホやタブレット)により、これまでのアナログ的なやり方(地域のつながりや口コミ情報)を超越した新しい「共感性」「情報網」の在り方を模索する、新しい時代が到来したと誰もが肌で実感できるようになりました。
「共感性」の方法論と「情報網」の価値観が変貌
具体的に言えば、「共感性」は「知名度や知人の多さ」から「いいね!やアクセス数」へと価値尺度がシフトしてきていますし、「情報網」は「知人のツテ・口コミ」から「ネット検索やSNS」へと方法論が変化してきています。
例えば、「共感性」に関しては、以前は近所の人や知人のツテを使って広げていくしかありませんでしたが、ブログやSNSで遠くの人とも育児の悩みを共有できたり、ネットを通じてベビーサークルやサポートネットワークを探したり参加したりできるようになりました。
ここではあらかじめ「同じ地域の人」とか「アトピーに悩む」とか同属性の人で絞って募集をかけたりでき、「共感性」が合う相手を見つけやすいという合理性も生まれました。
また「情報網」に関しては、「ママ友」からしか情報を得られないとされていた地域の保育園情報や料理のレシピや受験情報、育児に関するライフハックなどが、全てスマホから簡単に得られるようになりました。また、ネット検索の欠点であった「リアルタイムな情報」に関してもSNSを通じた情報が、むしろ人づて情報の範囲もスピードをも凌駕するようになってきています。
原点回帰によってアナログVSデジタルの価値観が対立
一方で、2011年に発生した大地震では、アナログ的な「きずな」を見直す地域再生ブームが巻き起こりました。いかに身近な地域の人同志で普段より助け合い、正確な「生きた情報」を共有しあえるのか?という、緊急時に確実性のある物理的なやり方への原点回帰が起こったのです。
それ以降、アナログな「きずな」や「生きた情報」などの人情を重視する人々と、デジタルな「共感性」や「情報網」の合理性を重視する人々との対立が露呈し、「町内会」や「地方自治」「父母会(PTA)」そして「主婦会(ママ友)」の是非を問う議論が白熱してきたように思われます。
まとめ
つまり、アナログな「きずな」を手放しに賞賛する「旧態依然の風習」へのアンチテーゼの一つとして、その負の意味合いを「ママ友」の文字に集約した議論が激化しているのではないでしょうか?
他にも、「ママ友」界隈以外で近年騒がれている同様の現象としては、以下の事象が挙げられます
- 「上司と飲み会にいかない若者の増加」(職場の人間関係いるorいらない論争)
- 「形骸化した社内労働組合の必要是非」(労組の必要or不必論争)
- 「結婚をコスパが悪いと避ける男性増加」(結婚の実利って何?論争)
- 「ネット情報を妄信する学生への大学教授らの苦言」(書籍による学問重視or軽視論争)
全体まとめと考察
以上、大変長くなりましたが、ママ友議論が激化している原因と背景について3つの仮説を語ってきました。そしてママ友論争にとって、特に2011年が重要なターニングポイントになっていることがわかりました。2011年はママ友新時代の開幕、またはママゼロ派元年と言っても過言ではないでしょうか。(いいえ、過言だと思います)
もちろん、これもまた「ママ友議論激化の要因解説」を語った「ママ友議論?アホくさ」の表裏一体型マウンティングではないのかと言われてもいたしかたがありませんがね。。。
〈おしまい〉